アレルゲン舌下免疫療法とは
アレルゲン免疫療法は「減感作療法」とも呼ばれ、アレルギーの原因であるアレルゲンの成分を少量から投与して、徐々に体をアレルゲンに慣らしていき、アレルギー症状を和らげる治療法です。
アレルギー性鼻炎症状の長期にわたる改善が期待できる治療法であり、現在はアレルゲンを舌下に投与する舌下免疫療法(sublingual immunotherapy:SLIT)が主流となっています。
治療可能な疾患
スギ花粉症(代表的な季節性アレルギー性鼻炎)
ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎(代表的な通年性アレルギー性鼻炎)
治療の流れ
◎治療開始前
血液検査にてスギ花粉・ダニに対するアレルギー反応を確認します
(他院で行われた検査結果を参照することも可能です)
◎治療開始時
初回投与時のみ、診察室にて舌下錠を舌下に投与し副作用等の有無を観察します。約30分程度院内で経過観察して問題なければ帰宅可能です。
2日目以降は、ご自宅で服用していただきます。
◎治療開始後
最初の1週間は用量の少ない方の舌下錠を服用し、2週目以降は用量の多い方の舌下錠を服用します。
1日1回毎日数年間(3~5年)にわたって継続服用します。
治療の方法
◎服用方法
舌下錠をブリスターシートから取り出し、すみやかに舌の下に置きます。
舌下するとすぐに唾液で溶けてきますが、1分間そのまま保持した後に飲み込みます。
その後5分間だけはうがい・飲食を控えて下さい。
◎服用上の注意
服用前と服用後2時間程度は、激しい運動・アルコール摂取・入浴(特に熱いお風呂や長風呂)を避けて下さい。
特に服用開始初期の1ヶ月程度は、各服用後30分以内に以下のような副作用が現れることがあります。
・舌下部位の浮腫・かゆみ・不快感
・のどの不快感・刺激感
・唇の腫張
・耳およびその周囲のかゆみ
・頭痛
その他
◎保管方法
舌下錠は室温で保管します。
◎治療開始を控える場合
スギ花粉症に対する舌下免疫療法の開始時期は、スギ花粉の飛散時期を避けるようにしています。
妊娠している方は、現在のところ舌下免疫療法を新たに開始することは避けるようにしています。
すでに開始して継続中の方が妊娠された場合には、そのまま継続していただくことも含めて相談のうえ判断します。